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会長あいさつ

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北海道病院歯科医会は、平成元年に設立以来、病院相互の連携強化や会員相互の親睦を主な目的として活動してきました。その具体的活動として、医学的知識および技術の向上を目指した学術活動、地域医療の健全な発展を目指した臨床研究活動、北海道保健福祉部および北海道歯科医師会など関係団体との連携事業など、多くの活動を通して、道民に安心・安全で質の高い医療を提供できるような環境整備を行ってきました。

地域におけるかかりつけ歯科診療所と病院における歯科口腔外科(病院歯科)は、相互に連携することにより地域の歯科医療が成り立っています。病院歯科では主に高度な検査・入院・手術などを要する口腔外科疾患を扱う2次3次歯科医療機関としての医療機能を備えているばかりでなく、近年では全身管理を必要とする患者の歯科治療、がん手術・化学療法や心臓血管手術・人工関節置換手術などを受ける患者の口腔管理、在宅歯科医療の後方支援、骨吸収抑制薬などによる薬剤関連顎骨壊死への対応など、その役割は増加しています。

現在、行政および医療関係団体などにより、地域医療構想の実現に向けた様々な活動が展開されています。2024年からは、国の新しい第8次医療計画が施行され、医療を取巻く環境も変化することが予測されます。その中で、4つの柱となるのが、①新型コロナウイルス感染症への対応、②地域医療構想、③外来医療・かかりつけ医機能、④医師の働き方改革・医師確保です。今回の新型コロナウイルス感染症拡大により、北海道では医療・介護従事者の懸命の努力にも関わらず、医療・介護体制の逼迫が見られました。これらは歯科医療においても例外ではなく、病院歯科の存在しない2次医療圏が存在し、医療の均てん化や口腔外科専門医の地域偏在などの課題が浮き彫りとなりました。われわれは、地域における医療機能の分化・連携と質の高い効率的・効果的な医療提供体制の構築の重要性を再認識させられました。今後は、高齢者人口がピークに達するであろう2025年に向けて、人口構造の変化に対応すべく医療体制を構築し、地域包括ケアシステムの推進に努めなければならないと考えております。そのために、関係する行政、学会、医療関係団体などと連携をさらに深め、地域の協議の場に積極的に参画し、地域医療構想の推進に努めていきたいと考えています。

私たち北海道病院歯科医会会員は、関係する多くの皆様とともに北海道の歯科医療をより質の高いものにしていくべく活動を続けていく所存です。当会の活動について、ご理解・ご支援を頂きますよう心よりお願い申し上げます。

 
北海道病院歯科医会
会長   鳥谷部 純行